こんにちは。都筑区の放課後等デイサービスFORTUNAです。
運動療育について専門的すぎるとお叱りも受けておりますが、適当な療育をしないということをモットーとしているのがFORTUNAの療育方針ですので、しばしお付き合い願えたらと思います。
前回お話しした「蹴る」という動作においては、
筋力&柔軟性:片足で立てる、キックする足のテイクバック&振り下ろす動作、腕をあげる動作
目と足の協調性:ボールを見て、しっかりボールに当てる
バランス力:テイクバック、インパクト、フォロースルーの一連の動作をバランスをとって立っていられる。
協調性:スキップと同じで上肢、下肢の相互作用
リズム感:1・2・3というリズムにのって身体を動かす
などがあり、サッカーのみならずボール運動の基礎となる動作です。
全てが重要なのですが、私は特に低学年の子どもにはリズム感とバランス力に力を入れて指導しました。
ご家庭でも、
①腕を拡げバランスを取りながら片足で立つ。(保護者の方と家で時間競争をしてみてください)
②手拍子で三拍子の練習。トン、トン、バンなど。リズムを身体で覚えるようにする。
③1・2・3のリズムでボールを蹴る(に、足を当てる)1でボールの真横に足を踏み込み、2で蹴る足をテイクバックし、3で足を振り下ろして、ボールに足を当てる。(キックする)
④それが出来るようになれば、少し後ろから歩いてきて②をやる。ポイントは②の1で、ボールの真横にしっかりと踏み込むことです。(目安として場所はボールの真横、ボールとの間隔はこぶし1コです)
⑤歩いて出来るようになったら、今度は少し走ってきてやります。全てボールは止めたままです。
この練習がキチッと出来て慣れてくると、不思議なことに子どもたちの動作の中で連結機能が強化され、二拍子に変わってくるのです。
このように1つ1つ説明していくのは大変で、合理的ではありません。サッカーの話からいきなり水泳の泳法や跳び箱の話に変わっても、動きの中に関連性がないとなかなか具体的な動き方や練習方法がわからないと思います。
だから目標とする運動に含まれる動きを前もって経験させておくことが良いと思います。
運動学習においては、解決しなければならない運動課題に対して、過去の運動経験から類似した動きの力の入れ方やタイミングの取り方などを呼び起こし、どんな姿勢で、どんな風に力を入れればよいか、動きの感じをつかみ取ることが非常に重要になってくるのです。
例えば野球の投球動作などは、紙鉄砲を鳴らしたり、メンコ遊びなどを通して「投げる」をイメージさせていくという感じです。跳び箱では、ロイター板をいかに強く踏めるかが勝負なので、ジャンプして踏む「強く踏む」という感覚を学んでいくと良いでしょう。
各種習い事(水泳、サッカー、野球など)においては、コーチや先生たちは指導の勉強をしているはずですからその種目特有の動きを学ぶのには良いと思いますし、子どもの能力についても理解されているはずなので、ご家庭で出来る練習方法のアドバイスを受けるのも良いでしょう。
私はこのような習い事の指導者やインストラクターたちを指導する立場にいたので、全ての運動の動きや指導の仕方を学んできました。そのため書き出したら1種目ずつずっと書き続けることになるので、この辺で一旦おしまいとさせて頂きます。
現代っ子は、タブレットでYouTube動画を見る、ゲームをする子どもが非常に増えています。そればかりやっていれば運動能力は当然向上しないと思います。絶対に見てはダメとは言いませんが、時間を決めて切り替えができるのであれば良いと思います。
結論として、今の時代、治安の問題等から屋外の公園で子どもたち同士で遊ばせること自体に不安や様々なご意見があると思います。そのため安易に公園で遊んでくださいとは言いにくいのですが、運動が苦手なこどもたちの基礎的な運動能力をあげるためには、昔の子どもたちのように屋外で鬼ごっこ、缶蹴り、警泥、かくれんぼ、ドッジボール、ケンケンパ、ブランコ、ジャングルジム、トランポリン、フリスビー、バドミントンなどの遊びを小さいときから子どもたち同士で楽しみながら、学ぶことが非常に重要だと思います。
また、屋外での遊びは危険だという場合は、ご家庭でできること、手押し相撲やバランスボールなどを子どもと一緒に楽しんでもらうのも良いかと思います。
何はともあれ、まず、子どもに「運動をする」、「身体を動かす」ことが「楽しい」「やりたい」と思ってもらうことが一番大切なのだと思います。
長くなりましたが、お読み頂きありがとうございました。
<終わり>
放課後等デイサービス FORTUNA